シリコン樹脂塗料の特徴
住宅の外壁塗装で使用される塗料にはいくつかのグレードがあり、その中でもシリコン樹脂塗料は現在主流のグレードになります。
業者に見積もり依頼する際にシリコン樹脂塗料を提案されることも多いかと思いますので、お客様自身でもシリコン樹脂塗料の特徴を理解しておくことが大切です。
このページでは、シリコン樹脂塗料のメリットやデメリットなどについて説明いたします。
シリコン樹脂塗料はどんな塗料なのか?

シリコン樹脂塗料とはシリコン樹脂を主成分とした塗料のことで、外壁塗装では最も多く使用されている種類になります。
シリコン樹脂塗料は、アクリル樹脂とシリコン樹脂を主成分として作られるため、正式には「アクリルシリコン樹脂」と言います。アクリル樹脂は含まれていますが、下位グレードのアクリル樹脂塗料とアクリルシリコン樹脂塗料は別物です。
また注意点として、アクリル樹脂に少しでもシリコン樹脂が入っていればシリコン樹脂塗料と言えるので、シリコン樹脂の含有率も確認しておく必要があります。
含有率は高いもので45~65%程度、低いもので10%以下と大きな差があります。もし、シリコン樹脂の含有率が低いと、通常のシリコン樹脂塗料に比べて耐用年数が短くなり、性能や品質も劣ってしまいます。
アクリル樹脂塗料のメリット1:価格と耐用年数のバランスが良い
シリコン樹脂塗料の耐用年数は8~10年程度です。
シリコン樹脂塗料は、高耐久のフッ素樹脂塗料や無機系塗料よりは安く、アクリル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料よりも耐用年数が長いため、価格と耐用年数のバランスが良いと言えます。
アクリル樹脂塗料のメリット2:塗料の種類が豊富
シリコン樹脂塗料は現在の主流なので、各塗料メーカーからも数々の商品が発売されています。
カラーバリエーションや機能性、艶の有無などの選択肢が幅広く、豊富な種類の中から希望の塗料を選ぶことができるでしょう。
アクリル樹脂塗料のデメリット1:ひび割れが発生しやすい
シリコン樹脂塗料に限らず、通常の塗料は、乾燥すると塗膜が硬くなる性質があるため、建物が揺れると塗膜が追随できずに、ひび割れを起こしてしまうと言われています。
ただし、シリコン樹脂塗料の中でも柔軟性のある弾性塗料を使用することで、ひび割れの発生を抑えることが可能です。
アクリル樹脂塗料のデメリット2:フッ素樹脂塗料や無機系塗料に比べると耐久性に劣る
フッ素樹脂塗料、無機系塗料の耐用年数は約10~25年と非常に長く、これらの塗料と比べるとシリコン樹脂塗料は耐久性が低いです。
外壁塗装は費用だけではなく手間もかかりますので、1回の塗装で出来るだけ長持ちさせたいという場合は、シリコン樹脂塗料よりもさらにグレードが高いフッ素樹脂塗料がオススメです。
シリコン樹脂塗料の施工単価(㎡)はいくらくらいか?
シリコン樹脂塗料の施工単価は、2,300~3,000/㎡円程度です。
こんな方にオススメする塗料です
シリコン樹脂塗料は、10年を目安に塗り替えを検討している方や、費用を抑えたいという方にオススメの塗料です。
シリコン樹脂塗料に関するよくある質問
1.シリコン樹脂塗料は、重ね塗りが不向きと聞いたのですが、本当でしょうか?
シリコン樹脂塗料は塗膜が硬く、撥水性も高いため、重ね塗りした時に塗料が密着しにくいと言われています。
ですが、塗装する前にしっかりと下地処理を行い、さらに適した下塗り材を使用することで、シリコン樹脂塗料でも問題なく施工できます。
2.低粘度のため扱いにくいと聞いたのですが、本当でしょうか?
まず、シリコン樹脂塗料が低粘度であるか否かは定かではありません。そして、たとえシリコン樹脂塗料が低粘度だとしても、低粘度だからと言って扱いにくいとは限りません。
ただ、前述の通り、重ね塗りする際には配慮が必要になってくるため、素人にはシリコン樹脂塗料を扱うのは難しいと言えます。
まとめ
シリコン樹脂塗料は、現在最も使用されている塗料になり、価格と耐用年数のバランスが良いのが特徴です。
ただ、フッ素樹脂塗料や無機系塗料など、シリコン樹脂塗料よりグレードが高いものに比べると耐用年数が低く、塗り替えの回数も多くなってしまうデメリットがあります。
費用を抑えながら耐久性も維持したいという方はシリコン樹脂塗料が最適ですが、出来るだけ長持ちさせてメンテナンスの手間を省きたい場合は、耐久性の高いフッ素樹脂塗料がオススメです。
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