クリヤー塗料の特徴と価格
塗料には様々な種類やカラーバリエーションがあり、クリヤー塗料と呼ばれる透明な塗料も存在します。
クリヤー塗料は既存の模様を活かしつつ建物も保護できるため、外壁のデザインは残したいという方にオススメです。
このページではクリヤー塗料の特徴や価格などについて説明いたします。
クリヤー塗料とは

クリヤー塗料とは、顔料を含まない透明な塗料です。透明なので、既存の外壁の模様やデザインを消すことなく塗装することができます。
主に、石目調やレンガ調のサイディングなど、デザイン性のある外壁材に用いられます。
また、耐久年数は一般的な塗料と同じく、シリコンやフッ素などの樹脂によって異なります。そのため、「クリヤー塗料だから耐久年数は○○年」ということではなく、クリヤー塗料の中でも製品によって耐久年数は様々です。
クリヤー塗料のメリット
クリヤー塗料のメリットは次のようなことが挙げられます。
外壁のデザインを残せる
通常の塗料は色が付いているため、塗装をすると元の外壁の模様やデザインを塗りつぶしてしまいます。
ですが、クリヤー塗料であれば塗装後も下地が透けて見えるので、お気に入りの模様やデザインを残すことが可能です。
外壁の保護ができる
一般的な色の付いた塗料と同じく、クリヤー塗料にも塗装面を保護する機能があるため、元のデザインは残しつつも紫外線や雨風などから建物を守ることができます。
艶を出すことがきる
基本的に艶の種類は5種類あり、クリヤー塗料の場合は「艶あり」「3分艶」「艶なし」の3種類から選ぶことが出来ます。
艶ありは新築のような光沢のある外壁になり、艶が抑えられた3分艶やほぼ艶のない艶なしは、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
チョーキングが発生しない
チョーキングは、塗料に含まれる顔料が劣化して、白い粉状になる現象です。クリヤー塗料の場合、原因となる顔料が含まれていないので、チョーキングは発生しません。
クリヤー塗料の注意点
クリヤー塗装するときの注意点は次の通りです。
劣化が激しい場合はクリヤー塗装はできない
クリヤー塗料は透明なのでひび割れや汚れ、色褪せなどもそのままの状態で見えてしまいます。そのため、劣化が激しい場合はクリヤー塗装はできません。
また、チョーキングが発生している場合も、クリヤー塗料で塗装をすると白く濁った仕上がりになるためクリヤー塗装はできません。
一般的にクリヤー塗装が出来るのは築10年までが目安なので、クリヤー塗装を検討されている方は、築7~8年程度で一度業者に状況を確認してもらうと良いでしょう。
クリヤー塗装できないサイディングがある
光触媒や無機塗料で塗装しているサイディングは、特殊なコーディングがされているため、クリヤー塗料が密着せずに剥がれてしまう可能性があります。
ただし、専用の下塗り材を使用することでクリヤー塗装できる場合もあります。
クリヤー塗料の施工方法
クリヤー塗装は2回塗り
通常の塗装の場合は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回塗りになりますが、クリヤー塗料は色の付いた下塗り材を使用できません。
そのため、クリヤー塗装は「中塗り→上塗り」の2回塗りとなり、下塗りをしなくても下地に密着するようになっています。
コーキング部分の塗装
コーキングの上にクリヤー塗装をすると、塗膜の汚れやひび割れが発生するため、コーキングの上にクリヤー塗装はしません。
ただし、これはクリヤー塗装だけに限らず、一般的な色付きの塗料でもコーキングの上に塗装をすると不具合が起こる可能性はあります。
よく使われているクリヤー塗料
一般的によく使われているクリヤー塗料は、次のようなものがあります。
ルミステージ水性UVカットクリヤー(AGCコーテック)
ルミステージ水性UVカットクリヤーは、AGCが開発したルミフロン系のフッ素クリヤー塗料になります。
耐久年数は15~20年です。
UVプロテクトクリヤー(日本ペイント)
UVプロテクトクリヤーはシリコン系のクリヤー塗料です。紫外線吸収剤の働きで色褪せを最小限に抑え、超汚染性や防藻・防カビ性などにも優れています。
耐久年数は8~12年、単価は㎡あたり2,000~2,400円程度です。
UVプロテクト4Fクリヤー(日本ペイント)
UVプロテクト4Fクリヤーは、UVプロテクトクリヤーと同シリーズで、フッ素系のクリヤー塗料になります。
耐久年数は10~15年、単価は㎡あたり3,200~3,800円程度です。
まとめ
クリヤー塗料は、透明な塗料で下地が透けて見える仕上がりになります。そのため、既存の模様やデザインを残したまま塗装したい方にオススメです。
ただし、劣化が激しいとクリヤー塗装はできないため、早い段階から塗装を検討し、業者に見積りを依頼することが重要です。
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